梅花書道は篆字の周囲に梅の花を装飾していく書道芸術の一つで、古くは「梅花篆字」と呼ばれていました。
「梅花書道」は中国・漢の時代から始まり、2000年以上の歴史の中で伝承されてきた一子相伝の世界無形文化遺産です。
梅の花の中に書があり、書の中に梅花が伸び、字体は樹幹のように力強く、一方で梅の花の可愛らしさも表現するのが特徴です。
中国では、古来より「福」の字を100種類の字体で書き分けた掛け軸や図などを
家に飾っておくと、より多くの福を得られると信じられていました。
現代においても、この百福のご利益にあやかろうと多くの飲食店や商品名などで百福の文字を目にすることができます。
この百福の思想は、平安~鎌倉時代にはすでに日本へ伝えられており、
仏教の教えや和歌などでも、人々に馴染みの深いものとなりました。
書としての「福」と絵画としての「梅」を融合させる梅花書道は、双方の技術を習得したうえで表現される、より高度で繊細な伝統郷土芸術です。
陳展先生の百福は、大胆でありながらも女性らしく細やかな装飾がなされ、「福」の文字ひとつひとつを現代の梅花書道として昇華させています。